バセドウ病(甲状腺機能亢進症)を発症して寛解した私の体験談|症状・治療・働き方まで解説

バセドウ病と働き方 発症から寛解までの体験談 仕事

こんにちは、しらたま(@shiratama_8man)です。

会社員時代に バセドウ病(甲状腺機能亢進症)を発症し、2年間の服薬治療で寛解 しました。

当時、特に不安だったのは「治療と仕事の両立」について。

そこで今回の記事では、私が実際に体験した

  • バセドウ病の初期症状と診断の流れ
  • 治療と通院を続けながら働いた2年間の記録
  • 寛解後に変わった価値観と働き方

をまとめます。

バセドウ病(甲状腺機能亢進症)を発症時の初期症状 

私が最初に感じた違和感は、日常生活の小さな症状でした。

  • 動悸が増える
  • 食べても体重が減る
  • 抜け毛が増える
  • 夜なかなか眠れない
  • 常にだるい

クリニックを受診したのですが、アレルギーが原因との診断。

症状が緩やかに悪化していることを気にしつつも、半年が過ぎました。

その後、背中の痛みが気になり別の病院を受診。
その結果、バセドウ病と診断 されました。

痛みとバセドウ病の関連性はなく、バセドウ病以外は検査の異常なしと説明を受けました。

痛みの原因はわからないままでしたが、おかげでバセドウ病の発見に繋がったので、結果的には良かったです。

バセドウ病の原因
バセドウ病は複数の原因が関与して発症すると考えられています。現在でも明確な原因は特定されていませんが、遺伝学的な要因と環境要因(中略)のいずれもが関与しているといわれています。
出典:伊藤病院「バセドウ病とは」

バセドウ病の診断と治療開始までの流れ|専門病院にかかるまでの注意点

バセドウ病の診断は、血液検査で 甲状腺ホルモン(FT3・FT4)やTSHの値が異常かどうか を調べることで判定されます。

私の場合も、血液検査の結果すぐに「バセドウ病」と診断されました。

ただし、実際に 専門病院で治療を受けられるまでには2週間がかかりました

甲状腺専門病院(内分泌科)につながるまでの流れ

  1. 病院でバセドウ病と診断される(当時は海外滞在中でした)
  2. 帰国後、近所の病院で再検査 → 甲状腺専門病院への紹介状をもらう
  3. 初診予約が取れたのは2週間後。「甲状腺クリーゼの危険もあるから安静に」と言われ、自宅でひたすら安静に過ごす

甲状腺クリーゼとは、甲状腺中毒症(甲状腺ホルモン高値)の治療が不十分なときに、感染症や大きなストレスをきっかけに起こる、死の危険が切迫した状態です。
出典:日本内分泌学会「甲状腺クリーゼ」

この経験から、異常を感じてもすぐに専門病院にかかれるとは限らない と痛感しました。

→ 会社の健康診断時、採血のオプションで甲状腺も調べてもらう
→ 気がかりな症状があれば、迷わずにクリニックで検査をしてもらう

といった 初動を早める工夫 が大切だと思います。

バセドウ病治療の最初の流れ

  • 血液検査で甲状腺ホルモンの数値をチェック
  • 抗甲状腺薬(メルカゾールなど)の服薬を開始
  • 最初は2週間ごとの通院 → 数値を見ながら薬を調整

数値が安定してくるまでの間は、こまめな通院と血液検査が必要でした。

働きながらバセドウ病の治療を受けた2年間

バセドウ病の治療を続けながら働く会社員女性のイラスト

バセドウ病と診断されたあとも、会社員として勤務を続けていました。

しかし、治療と仕事を両立するのは想像以上に大変でした。

  • つねに疲労感や倦怠感がある
  • 有給が足りず欠勤扱いになる
  • 欠勤や早退が増えて職場に申し訳ない

仕事を休まないと身体が辛い。
でも休むたびに職場への罪悪感を感じる──

どちらを選んでもストレスになる状態でした。

その結果、通常の休日も「仕事のために体力を温存する」ことだけを考える日々。

家事を済ませて自宅で休むだけで終わり、外出やリフレッシュの余裕もありませんでした。

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バセドウ病寛解までの経過

バセドウ病の治療は、服薬を続けることで徐々に数値が安定する人が少なくないそうです。

私の場合も、抗甲状腺薬(メルカゾール)を服薬しながら、数値の変化を見て調整を続けました。

  • 数値が安定してきたら、通院は 2週間 → 1か月ごと
  • 服薬量も少しずつ減り、2年ほどで服薬終了
  • 手術や放射線治療はせずに済んだ

寛解判定を受けたあとは、定期通院も不要に。

現在は、勤務先の健康診断のオプションを利用するなどして、ついでに甲状腺の検査を受ける程度です。

バセドウ病寛解後も残った倦怠感

ただし、数値が安定しても「慢性的な倦怠感」だけは残りました。

  • 大学病院で検査を受けても原因は特定できず
  • 疲れやすさは今も生活のストレスになっている

寛解当初は「もっと人並みに過ごせるはず」と、無理に頑張って心身を追い込むこともありました。

そんな状態で数年を過ごしていたため、その後に起きた突発的な環境変化も重なり、適応障害を発症したこともあります。

この「疲れやすさを受け入れる」ことが、正社員を続けずに ダウンシフトする大きなきっかけ になりました。

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適応障害で休職した私の体験談

バセドウ病を会社に伝える?私の体験談と考え方

バセドウ病を会社に伝えるか悩む働く会社員女性のイラスト

バセドウ病と診断されたあと、働き方を考える上で悩むのが「会社に伝えるべきかどうか」です。

私の場合は、治療開始と転職活動の時期が重なっていました。

そのため──

  • 面接時に病気のことを隠さない
  • 病状が安定していないことも正直に伝える
  • それで採用が見送られるなら仕方ない

と決めて転職活動に臨みました。

幸いにも、配属予定先の社員にも持病治療中の方がいて、体調不良には理解のある環境でした。

そのため、体調が優れない日は休みながら働くことができました。

もちろん、職場の理解度は環境によって大きく異なります。
ただ、体調を隠して無理をするよりも、正直に伝えた方が私には安心でした。

もし採用が決まらなければ──

短時間のバイトを掛け持ちして1日の稼働時間を減らすなど、リスク分散できる働き方も検討していました。

バセドウ病を経験して変わった価値観

バセドウ病を通じて、私の中で「健康」と「働き方」への考え方が大きく変わりました。

  • 心身の健康が最優先
  • フルタイム勤務を前提にした生活設計は危険
  • ダウンシフトを選択する大きな理由になった

以前の私は「正社員でいること」が安定だと思っていました。

でも実際には、健康が崩れたらどんな安定も続かない。

だからこそ今は、 バッドコンディションの自分でも維持できるライフスタイルを基準にして、生活基盤を作るように心がけています。

まとめ|バセドウ病を経験して見直した「働き方と安定」

今回の記事まとめ──

  • バセドウ病は「早期発見」が大切
  • 専門病院受診までにタイムラグがあるので早めに検査を
  • 働きながら治療を続ける負担は大きい
  • 寛解しても疲れやすさが残り、働き方を見直した
  • 健康を守れる働き方=私にとっての安定だった

バセドウ病は治療が可能とされている疾患で、特別な病気ではありません。
ただし、治療期間や、症状の度合いは人それぞれです。

一つ言えるのは「自分の体と心の声を聞けるのは自分だけ」ということ。

無理を重ねれば、体だけでなく心まで壊れてしまいます。

医師・会社・自分自身と相談しながら、できる限り心身を最優先にした選択をしてほしいと思います。

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